2020年2月プランタン記事
「経験生かし社会貢献」
【養生を手助けする仕事】
「自分の持つ力で病気にならない体を作るのが『養生』。私たちの仕事はその手助けをすることだと思います」。
そう話すのは、中央通にある鍼灸治療院「健美」の田邉正幸先生(61)です。
【ステージ4の胃ガンに】
50歳の時にもっと社会貢献がしたいと考えて会社を辞め、鍼灸師の資格を取りました。国家試験に通り、開業を考えた矢先に倒れて吐血。搬送先でステージ4の胃ガンで肝臓に転移していると告げられました。抗ガン剤をすすめられ、だめでもともとと受けたところ、奇跡的にガンが縮小。1年後に手術を受けることができ、成功しました。
【副作用を鍼灸で軽減】
抗ガン剤には吐き気や倦怠感、便秘、不眠などの副作用があります。投与中にお灸や置き鍼などでその副作用を軽減。自分の体で試してみて、東洋医学の効果を実感したといいます。手足の末梢神経麻痺は残りましたが、平成25年に念願の治療院を開業することができました。
【経験を広くつたえる】
「ガンには手術や抗ガン剤などの西洋医学の標準治療がやはり有効。医師を信頼して命を大事にしてほしいと思います。東洋医学は心身を整えて、治療前の不安を減らしたり、治療後のフォローをすることが役割。私の経験が少しでも役に立てばうれしいです」と田邉先生。ボランティアでさまざまな場所に出向いて、体験を話したり、健康作りに役立つ方法を伝えたりしています。
【いたみを分かち合う】
仕事では、病院で診断がつかないと言われた人にも、問診や脈診などで時間をかけて体の状態を探り、証を立てて(診たてて)鍼やお灸を処方します。自宅での食べ物や生活習慣へのアドバイスも欠かせません。「病気を治すのはご本人の気持ちと免疫力。私たちはそのいたみを分かち合って一緒に考え、治るきっかけ作りをします」。一緒に戦ってくれる先生がいれば、病気になっても立ち向かえる気がします。
鍼灸治療院健美
【住所】春日井市中央通1-25 グラシア中央通101号室
【電話】080(5168)1182(お問い合わせはSMSで)
※第2・4土曜日、てとりんハウスで鍼灸相談をしているのでそちらにお問い合わせすることもできます。
電話:0568-41-8844(岩月さん・大田黒さん)